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次の挑戦

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先日、Geoloniaでの最終出勤日でした。私は2021年の初めからGeoloniaで働いていたので、3年ちょっとになりました。在籍中、多くの興味深いプロジェクトに携わりましたが、そろそろ新たな一歩を踏み出すべき時だと感じました。

この3年間で、多くの変化がありました。LLMを活用したAIソリューションが急速に成長し、様々な業界に広がり始めています。その有効性や倫理についての議論はまだ続いている場面もあるかと思いますが、正直もう遅いと思います。今こそ、AI技術を社会の発展にどう活用すべきかを本気で考えるべき時です。

私は日本に住んで10年以上になりますが、最近、比較的地方の地域に移住しました。そこでは、60代・70代の人口と、学校に通う子どもたちの数が大きくアンバランスであることを実感しました。東京では、全然実感しなかった。むしろ、子供が多いことで保育施設が足りないなど、困っていました。しかし、地方にいると、それが日常的に「少子化はこう言うことなんだね」と毎日実感させます。

この問題は新しいものではありません。日本の人口減少は数十年にわたって続いており、政府の政策も主に出生率の向上に焦点を当ててきました。適切に実行されれば、改善の余地があると私も考えていました。

しかし、今はもう、それが現実的な解決策ではないと思いました。もっと早く気づくべきだったのかもしれませんが、「コスト削減だけで億万長者にはなれない」のと同じように、私たちが進むべき道は「生産性を高めること」しかありません。

ソフトウェアエンジニアリングの世界には「10xエンジニア」(10倍の生産性を持つエンジニア)という概念があります。これは、通常のエンジニアの10倍の成果を出せるエンジニアを指します。私は、情熱を持った一人の開発者が、独自の洞察、創意工夫、あるいは過去の経験を活かして、通常であればチーム全体とマネージャーが必要とするような解決策を生み出す場面を何度も目の当たりにしてきました。熟練した大工が道具を使いこなすように、「10xエンジニア」は自らの専門知識を駆使して、大きなアドバンテージを生み出します。この「10xエンジニア」の概念は、あらゆる分野に応用できるものです。

今後数年で、AIは標準装備となるでしょう。単なるチャットから、「Copilot」のような人間を支援するモデルが登場し、すでに自律型「Agent」が現れ始めています。現在の企業は、人を雇い、管理し、その成果を集約して価値を生み出すことを前提に構築されています。しかし、大企業がAIを活用して人間を置き換えようとするだけでは不十分だと私は考えています。

未来の企業は、まったく異なるモデルで生まれるでしょう。たとえば、一人の人間が何万、何億という自律型AIを管理することが可能な世界。これを実現するには、新しい組織構造が必要になります。少数の人間が、特化したスキルを持つAIを数百万単位でオーケストレーションし、複雑な課題に取り組む。これまでの企業モデルとは根本的に異なるため、新しい管理手法や成功の指標が必要と思います。

現在、私は地理空間データを活用したソリューションからスタートすることを考えています。地理空間データは、物理世界と仮想世界をつなぐ具体的な橋渡しとなるため、特に魅力を感じています。たとえば、国土交通省はProject Plateauというプロジェクトで、日本の都市のデジタルモデルを作成し、デジタルツインを構築しようとしています。開発の進捗速度は、フィードバックの速度に左右されます。高解像度のデジタルツインがあれば、仮想世界における開発と同じように、物理世界の開発もスムーズに進めることができるでしょう。

もし興味があれば、ぜひご連絡ください

これからの新たな旅は、AIが当たり前のように存在し、人間の生産性がこれまでの歴史上最も向上した世界を目指しています。私は未来にワクワクしています。同じ気持ちを抱いている方がいたら、ぜひつながりましょう。